不動産のこと

【2022年度】不動産に関する税制改正!贈与税や住宅ローン控除が変わる?

2022.01.06 不動産のこと

2022年度(令和4年度)税制改正により、不動産に関する制度が変更される可能性があります。

とくに、贈与税・相続税や住宅ローン控除、固定資産税は、現在不動産を所有している方や今後所有しようと考えている方に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

今回は、2022年度税制改正により影響がある、不動産に関する3つの制度について解説します。

 

不動産に関する税制改正①贈与税・相続税の一体化

最初に、2022年度税制改正において、贈与税と相続税が一体化する可能性があることについてご説明します。

今後、不動産の相続を考えている方は要チェックです。

<現在の贈与税・相続税の制度>

まず、現在の相続税についてですが、現在は相続発生(被相続人の死亡)から3年以内の贈与は、相続税が課税されることになります。

つまり、3年超前の贈与については、相続税はかからないのです。

また、贈与税については、「暦年贈与」という制度が前提となっており、年間の贈与額によって贈与税が決定する仕組みとなっています。

具体的に言うと、年間110万円を超える贈与については贈与税が課税されますが、年間110万円以下の贈与については非課税となるのです。

したがって、相続が発生する前から、長年にかけて110万円以下の非課税枠での「生前贈与」をおこない、相続税・贈与税の節税対策をおこなう方もいます。

<現在の制度の問題点>

現在の制度の問題点としては、同じ額を生前贈与するとしても、贈与の時期が異なるだけで課税額が変わり不公平感があるという点が挙げられます。

年間110万円以下の非課税枠のなかで生前贈与を長年おこなう方もいる一方で、同じ額を一括で生前贈与、もしくは相続するとなると、場合によっては数十%の贈与税・相続税がかかってくることがあります。

このように、いつから資産移転を始めたかによって課税額が大きく変わることは問題点の一つとして見られています。

また、贈与税は相続税に比べて課税率が高いため、110万円超の贈与については積極的にはおこなわれない傾向にあります。

その結果、遺産を引き継ぐことが遅れることで老老相続が増え、若者に財産が分配されにくいという問題点もあります。

<贈与税・相続税の税制改正ポイント>

先述したような問題点から、贈与税・相続税において以下のような税制改正が検討されています。

・贈与税の「暦年贈与」が見直される

・相続発生から、3年以内から10~15年以内に発生した贈与を相続としてみなす

海外では、贈与税と相続税の垣根をなくし一体化している国もありますが、日本の現状の制度からの変更を考えると、相続扱いとする期間を長くすることが現実的だといえます。

このような改正がされると、これまでおこなわれていたような生前贈与の節税対策としての効果が大きく損なわれることになります。

 

不動産に関する税制改正②固定資産税の税額アップ

続いて、不動産に関する税制改正として、固定資産税の「負担調整措置」により、固定資産税の税額が上がる可能性があることを解説します。

<2021年度は評価額があがっても据え置き>

固定資産税とは、そもそも毎年1月1日時点に所有している不動産などの固定資産について納める税金のことをいいます。

固定資産についての評価は、地価公示価格や不動産鑑定士による評価などによって3年に1回の評価替えがあります。

2021年度は、その3年に1回の評価替えの年度でしたが、結論からいうと、固定資産税の増額はありませんでした。

その理由としては、新型コロナウィルスにより企業の経営状況や家庭の所得環境も悪化するなかで固定資産税が増額になると、新型コロナウィルスからの経済回復の負担になると判断されたためです。

その結果、2021年度の評価額があがったすべての不動産について、2020年度の固定資産税額を据え置きするという「課税標準額の据え置き措置」が税制改正大綱により決まったのです。

<2022年度は負担調整措置が延長>

2021年度に関しては、評価額があがった不動産についても2020年度の固定資産税額を据え置きする措置が取られましたが、これは負担額が一気にあがることを防ぐ「負担調整措置」です。

2022年度に関しては、2021年度課税標準額が据え置きとなった不動産についても、課税標準額を段階的に引き上げていくことになっています。

したがって、本来であれば評価替えは2021年度だったので、2022年度は固定資産税があがる年度ではないのですが、固定資産税が引き上げられる方もなかにはいるのです。

ただ、新型コロナウィルスによる経済影響が依然として続いていることから、2022年の税制改正において、どのような方向性が示されるかは注目する必要があります。

 

不動産に関する税制改正③住宅ローン控除額の減額

不動産をこれから所有しようと考えている方に大きく影響を与えるのが、税制改正により住宅ローン控除額が減額されることではないでしょうか。

先日2022年の住宅ローン控除の税制改正についても方針が固まりましたので、それも踏まえて詳しく見ていきましょう。

<現在の住宅ローン控除制度>

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、個人が住宅ローンを利用して住宅を新築・増改築・取得した場合において、一定の要件を満たす場合に減税されるという制度です。

現在の制度としては、年末時点で住宅ローン残高の1%(最大40万円)が所得税から差し引かれ、還付されます。

なお、減税の期間は、本来であれば10年ですが、2021年に関しては13年と定められていました。

<改正後は住宅ローン控除が1%から0.7%に>

先日決定した2022年度の税制改正の方針によると、住宅ローン控除については以下のように変更されることになりました。

・住宅ローン残高に対する控除率を1%から0.7%に引き下げ

・残高の上限は、省エネ性能別で設定する(新築は3,000万~5,000万円の4段階、中古は2,000万円か3,000万円の2段階に細分化)

・減税期間は、新築10年から13年に、中古は10年のまま

・利用者の年間の合計所得の要件は、3,000万円以下から2,000万円以下に変更

このように住宅ローン控除が減額されるに至った背景としては、住宅ローンが低金利になり金利1%を下回るものも出てくるなかで、住宅ローン控除額が支払利息を上回る「逆ざや」状態が発生していることが挙げられます。

このことによって、本来であれば資産を十分に所有していて、住宅ローンを利用せず返済できる能力があるにも関わらず、住宅ローン控除を理由に返済しないという方が出てくるという状態が起きていたのです。

それを解消すべく、住宅ローン控除額を引き下げすることになりました。

なお、対象は、2022年度以降の入居者となる見通しであるため、現在住宅ローンをすでに利用している方については特に変更はありません。

 

まとめ


以上、不動産に関する税制改正について解説しました。

贈与税・相続税については、今後不動産も含め生前贈与や相続について節税したいと考えている方は、税制改正も念頭においたうえで対策を検討することをオススメします。

固定資産税については、2022年度は2021年度と同様据え置きになるか、もしくは当初の予定どおり負担調整措置になるのかは動向をチェックしておく必要があるでしょう。

また、住宅ローン控除については、2022年度改正の方針が決定したため、今後不動産の購入を考えている方で2021年度中に購入ができる方は、早めに動いておくと良いでしょう。

購入を考えているけれども、2022年度以降の入居になりそうだという方は、改正後の内容で住宅ローンを組むことを想定して、計算してみることが必要です。

お気軽にご相談くださいませ(^^)/

 

 

※いえらぶコラムより

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